本物のマルセイユ石鹸はどれ?そんな疑問にお答えします。偽物を見分ける5つの絶対条件から、本物のマルセイユ石鹸を買える場所までを徹底解説。この記事を読めば、肌に優しい本物のマルセイユ石鹸を選べるようになるでしょう。
「このマルセイユ石鹸、本当に本物なのかな…?」と思いながら商品を選んだ経験はありませんか。人気の高さゆえに市場にはさまざまな「マルセイユ石鹸風」の商品があふれており、本物を見分けるのは難しいかもしれません。
オリーブ油を主原料に、伝統的な大釜製法で作られる本物のマルセイユ石鹸は、まろやかな泡立ちと、しっとりなめらかな洗い上がりが魅力です。せっかく買うなら、本物の品質を実感したいでしょう。
この記事では、本物を見分けるための5つの基準や、本物を買える場所などを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
1. マルセイユ石鹸とは?
マルセイユ石鹸は、主にオリーブオイルを原料とし、フランス・マルセイユ地方で伝統的な製法にもとづいて作られる石鹸です。
マルセイユ石鹸の歴史は古く、17世紀にはすでに広く使われていましたが、動物性の油脂などを混ぜた粗悪品も多く出回っていました。
この状況を憂慮した国王ルイ14世は1688年、マルセイユ石鹸の品質を守るために厳格な製造基準を法律で定めます。
「原料の油脂はオリーブオイルのみ」「マルセイユ地方で作ること」など厳しくいくつかの規定を定め、違反者には罰則が科されるほどでした。
現在では基準が一部緩和されていますが、今なおその伝統製法は受け継がれ、マルセイユ石鹸は世界中で愛されています。
ルイ14世が定めた厳格な製造基準を詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
関連記事:あると便利なマルセイユ石鹸
2. 本物のマルセイユ石鹸を見分ける5つの条件
数ある製品の中から本物のマルセイユ石鹸を見つけ出すには、ルイ14世の時代から受け継がれる「本物の証」を知ることが不可欠です。
以下の5つの条件をクリアしているか、購入前に必ずチェックしましょう。
2-1. 条件1:信頼できる製造所(サボネリー)の製品であること

本物のマルセイユ石鹸は、UPSM認証のロゴがあるかを確認して選ぶことが大切です。
UPSM認証のロゴは、伝統的な製法を厳格に守る製造所の証として知られています。
マルセイユ地方の石鹸職人たちは、伝統を守るため「マルセイユ石鹸職業組合(UPSM:Union des Professionnels du Savon de Marseille)」を設立しました。
組合には、伝統的な製法を守る製造所しか加盟できず、現在、創設メンバーである以下の4社のみが認証ロゴを使用しています。
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マリウス・ファーブル (Marius Fabre)
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フェール・シュヴァル (Fer à Cheval)
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ル・セライユ (Le Sérail)
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サボネリー・デュ・ミディ (Savonnerie du Midi)(ブランド名:ラ・コルベット)
2-2. 条件2:「72%」の刻印があること

「72%」の刻印(フランス語で「72% D’HUILE」)は本物のマルセイユ石鹸の証です。
総重量の72%以上がオリーブオイルやココナッツオイルなどの植物性油脂であることを示しており、ルイ14世が定めた基準を継承しています。
2-3. 条件3:合成添加物を使用していない

本物のマルセイユ石鹸には、合成添加物や動物性脂肪は使われていません。
伝統の製法では、ごく限られた天然由来の原料のみで作られています。
オリーブオイルを主とした植物性油脂をベースに、石鹸へと変化させる苛性ソーダ、反応と洗浄に不可欠な水、不純物を取り除く塩といった天然由来の原料のみで作られています。
香料や着色料、防腐剤、合成界面活性剤、酸化防止剤などは一切含まれません。
購入する際は、成分表示をよく確認し、シンプルな天然成分だけで作られている商品を選びましょう。
2-4. 条件4:フランス・マルセイユ地方で、伝統的な「釜炊き製法」によって作られている

本物のマルセイユ石鹸が持つ確かな品質は、マルセイユ地方で作られていることと伝統的な釜炊き製法(マルセイユ製法)から生まれます。
この2つは、本物であるための絶対的な条件です。
「マルセイユ石鹸」の名称は法的に保護されておらず、マルセイユ地方以外で作られた製品も存在するため注意が必要です。
購入時には「Made in Marseille, France」の表記を確認してください。
伝統的な釜炊き製法では、釜で植物油とソーダを焚き、塩で不純物を分離させ、何度も洗浄します。
丁寧な工程により、天然の保湿成分グリセリンが豊富に残り、純度の高い石鹸が完成します。
2-5. 条件5:色と形が決まっている

本物のマルセイユ石鹸は色と形が限定されます。
天然オイルに由来する自然な色合いと、大きな釜から切り出すことで生まれる素朴な形状こそ、本物の証といえるでしょう。
伝統的なマルセイユ石鹸の色は、原料のオイルに由来します。
オリーブオイルベースは緑色から茶色、パーム油などを使う場合は白色からクリーム色です。
ピンクなど鮮やかな色のものは着色料が使われている可能性が高いため注意が必要です。
形は大きな釜から切り出すため、立方体か長方形が基本です。
3. なぜ本物にこだわるべき?マルセイユ石鹸の魅力と効果

本物のマルセイユ石鹸は、肌に優しく多用途に使えます。
天然由来のシンプルな成分のみで作られているため、多くの効果が期待できる石鹸です。
主原料のオリーブオイルが持つ高い保湿効果により、洗い上がりはつっぱらず、しっとりなめらかな肌へと導いてくれるでしょう。
合成添加物を一切使用していないため、敏感肌の方はもちろん、お肌のデリケートな赤ちゃんにも使えるとされています。
洗顔やシャンプー、ボディ用としての使用から、食器洗いや衣類の部分洗い、歯磨きまで、暮らしのさまざまな場面で活躍する万能性も大きな魅力です。
4. 本物のマルセイユ石鹸はどこで買える?
本物のマルセイユ石鹸を選ぶなら、信頼できる販売元を見極めることが大切です。
UPSM(マルセイユ石鹸職業組合)に加盟する製造元の公式オンラインストアや、日本の正規輸入代理店であれば、品質が保証されています。
100円ショップなどで見かける極端に安価な製品は、香料や着色料が使われているなど、本物の基準を満たさない可能性が高いため注意が必要です。
5. まとめ|正しい知識で、本物の価値を手に入れよう
本物のマルセイユ石鹸を見分けるための5つの条件や、購入できる場所などについて解説しました。
「72%の刻印」「シンプルな原材料」「信頼できる製造元」といったポイントを押さえることで、数ある製品の中から迷わず本物を選べるようになるでしょう。
フランス・プロヴァンス地方の雑貨を取り扱う当店では、伝統製法を守り作られた本物のマルセイユ石鹸を厳選してご用意しています。
歴史が育んだ格別な洗い心地を、ぜひご自身の肌で実感してみてください。

















































